妊娠中の食事で注意すべき感染症、1選!リステリア感染症

医療

妊娠中は、あれも食べちゃいけない、これも食べちゃいけない。間違ってちょっと食べちゃって心配。検査受けた方がいいですか??

現代社会は良くも悪くも大量の情報にアクセス可能です。その情報は、正しいもの、誤っているもの、どちらともいえないものがごちゃ混ぜの状態で、その情報がどこまで正しく重要なのかを自分で判断しなければなりません。

妊娠中の食べ物に関してもあらゆる情報が飛び交っていて、何を信じてよいのやら。全部まに受けていたら「そんなこと言ったら何も食べられないよ!もう水栽培になっちゃうじゃんかよ!!」って思ってしまうくらい。
正直、極端に偏った食べ方をしなければ、ほとんどの食べ物が問題ありません。しかし、やっぱり中には注意して欲しい食べ物も少なからずあるので、そちらを紹介していきます。

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妊娠中に注意すべきリステリア感染症

特に注意喚起したいのはリステリア菌で、僕はこの感染症を重要視して外来でも良くお話しています。
この菌は正式名称をリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)といって、河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布する菌です。4℃以下の低温でも死滅することなく増殖するため、冷蔵庫に長期間保存され、加熱せずにそのまま食べられる食品は、原因となりえます。
初期症状はかぜに似ており、発熱、筋肉痛、時にははき気や下痢から始まります。良くある症状なので、菌が証明されるまで診断がつかないことが多いです。

リステリア感染症の臨床経験

私も、今までに1例だけですが妊娠中のリステリア感染症を経験したことがあります。今までで1例のみなので、日本の優れた衛生環境では決して多いわけではありません。しかし、かなり劇的な経過をたどった1例であったため紹介させていただきます。

妊娠23週でお腹の張りと微熱で来院し切迫早産として入院、抗菌薬と子宮収縮抑制薬の点滴が開始されました。その後、入院から十数時間後に破水、臍帯脱出。すぐに緊急帝王切開の準備を行いましたが間に合わず、急速に所見進行して数分後そのまま経腟分娩となりました。児はNICUで管理されましたが、数日後に息を引き取りました。
その後、分娩時に採取していた細菌培養でリステリア感染が発覚し、今回の早産と児死亡の一要因と考えられました。

リステリア感染症の予防

この症例で、詳細な問診を行いましたが感染経路は不明でした。

リステリアはそれほど怖い感染症です。日本の衛生環境は本当に良いので少し食べたぐらいでみんなが発症するような危険なものではありません。しかし、国内でも「冷蔵庫に長期間保存され、加熱せずにそのまま食べられる食品」である乳製品、食肉加工品や魚介類加工品などから、とても菌数は少ないですが、リステリアが検出されています。
具体的には、

  • 乳製品:ナチュラルチーズ
  • 食肉加工品:生ハム、パテ
  • 魚介類加工品:スモークサーモン

やっぱり妊娠中は、これらの食品を避けた方が無難です。
なお、厚生労働省が示している家庭での予防方法としては下記のようなものがあります。

  • 生野菜や果物などは食べる前によく洗う
  • 期限内に食べるようにする
  • 開封後は、期限に関わらず速やかに消費する
  • 冷蔵庫を過信しない
  • 冷凍庫で保存する
  • 加熱してから食べる

これらのことに注意しながら生活されるのが良いかと思います。

厚生労働省より(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055260.html)

おわりに

生ものはやっぱり美味しいし、妊娠期間中にすべてゼロにするのは相当難しいと思います。しっかり衛星管理されているものであれば、少し口にするくらいならほぼほぼ問題ありません。しかし、そんな私も先に挙げた食品に関しては神経を使っています。妊娠中の嫁が食べたいとだだをこねても、心を鬼にして取り上げる所存です(そして僕が美味しくいただきます笑)。

ダメと言われると食べたくなりますが、元気な赤ちゃんを産むために、ここは我慢して下さいね。因みに、もう食べちゃったよ!って方も、過度には心配しないで下さい。今大丈夫なら大丈夫です。
これから気を付けましょー

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